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1988年11月10日木曜日

CHANT D'AUTOMN Ⅴ.アナーキー

憶えているよ。 なだらかな丘陵に 護られた あの村のことは。 村人たちは哄笑し とても 優しい眼をしていた と。 (そして霧がおとずれ すべてが散りぢりになった) 憶えているよ。 一人は死に 一人は霧の中で 見失われ 一人は 誰にも知られない旅にでた(皆...
1988年11月9日水曜日

CHANT D'AUTOMN Ⅳ.海 風

故郷(こきょう)。 弱められた日射しの降る 故郷。 ・・・もう長いことぼくは 死んだようにあるいていた 改札。 バスがとまる ゆるやかに広場が傾斜している 懐かしい光景よ 顔のある雑踏よ。振り返れば いつも 木洩れ陽の降る 並木道。 ・・・風が渡る ...
1988年11月8日火曜日

CHANT D'AUTOMN Ⅲ.秋の歌

冷やかに闇が 待ち 俺たちを呑みこもうとしている さらばだ眩暈よ。つかのまの 夏の光よ。 聞け 窓外に谺する 薪木の束。 乱暴に叩きつけられる 冬の告知。 振りかえろうとする すべての俺たちのまえに 叩きつけられる。 堅固だった 城壁は崩れ落ち 一切は ...
1988年11月7日月曜日

CHANT D'AUTOMN Ⅱ.Kに捧ぐ

1 どこへあるいて 行ったのかきみは あれから。暗い浜辺のうえを きみはずっと あるいて行った     (訃報は 都会のうす暗い廊下のうえで つたえられた) どこで拾ったのか きみは あおいガラスの小壜を。ぼくの もう知ることもなかった きみの浜辺の どこで...
1988年11月6日日曜日

CHANT D'AUTOMN Ⅰ.何処へ

振りかえれば 何が見えるか おまえよ・・・緩やかにカーヴしながら   木立のあいだに消える小径 見あげれば 何が映るか 霧雨の中に・・・枝々は闇をたたえ   じっと息を凝らしている   おまえは一人だ こころのままに 歩いてゆくがいい おまえは だがこうして...