俺たちを呑みこもうとしている さらばだ眩暈よ。つかのまの
夏の光よ。
聞け
窓外に谺する
薪木の束。
乱暴に叩きつけられる 冬の告知。
振りかえろうとする
すべての俺たちのまえに 叩きつけられる。
堅固だった
城壁は崩れ落ち 一切は
死に絶えるであろう 俺たちは
それに耐えるであろう。
見るがいい極北の地平に
いま太陽は沈む 蒼白い氷塊と化して。
急げ。
何処からか槌の音がする おお急げ。棺に釘打つ
音が聞こえる
(誰のためにか)昨日は夏だった いまは秋。
宣告は出発のように 鳴り渡る
不思議な音色。
(ボードレール「秋の歌」より)